演 者 演目名:め組の喧嘩


六世 尾上菊五郎
 本名題は「神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)」。町火消しいろは四十八組に定められても、町火消し同士や、町火消しと大名火消しとの対立が始終あったのは、男の意地の張り合いからであった。文化二年(1805)二月、芝神明境内で相撲と火消し鳶の「め組」と喧嘩が起きて、死人が出る騒ぎになった。明治になって竹柴其水がこれを芝居にして人気を取った。明治二十三年(1890)三月、東京新富座が初演であった。芝居の筋は品川の廓島崎楼で遊んでいた、め組の鳶と隣座敷に居た相撲取りとが喧嘩になった。再び芝神明境内の芝居小屋で力士と鳶がぶつかる。め組の頭辰五郎は、焚出の喜三郎に後を頼み、女房子供とも別れの杯を交わして喧嘩場へ赴く。
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